■ きらら主催 「家族のためのSSTプログラム」 参加報告
2004年10月25日(月)10:30〜12:30 区情報公開室2階
講師:前田ケイ氏(ルーテル学院大学大学院教授)
表題の催しが、生活支援センターきらら主催で開催されました。練馬家族会を対象とした企画ということでしたので、参加者も気心が通じている人ばかりでしたが、やはり多少の緊張感と恥ずかしさはあったようです(男性2名女性7名)。参加者の女性会員から、報告を兼ねた感想文を寄稿していただきました。
娘の退院が決まりました。6ヶ月の入院でした。丁度良い時に、きらら主催「SSTとは何か、ご家族のための説明」の講習会に参加してきました。初めて受講するSSTということで、とても楽しみでした。
なぜって?何冊か読んだ本に、薬以外の治療としてよく取り上げられていたからです。
より良い生活を送る方法を習得する生活技能訓練。ストレスが緩和されて再発予防に役立つ。できない事ができるようになって自信を回復する。家族がSSTを学習したグループと、そうでないグループを比べた時、前者に再発率が低い等と。娘を支えたいと思っていた私には、「やったー。本当かな?」と思っていたからです。
ルーテル学院大学大学院社会福祉科、前田ケイ先生の指導の下に、きららの職員数名、親の私達10数名が輪になった椅子に座って始まりました。大人同士のこういう座り方って恥ずかしいものですね。
10項目に整理された説明を要約すると、S(ソーシャル)S(スキルズ)T(トレーニング)とは、「人が人に関わる状態で、自分の目的を達成し、相手から期待した反応が得られるような対人能力(認知して行動するまでの)を練習して、その実力や力量をつけていくこと」と定義づけていました。更に「精神病の家族がいると、家族全体が強いストレスにさらされ心の健康が冒される。家族も病気について学び自分と当事者と、自分たちが置かれている状況についての認知と行動を変えていく必要がある。」とも続いていました。
その後、実際のトレーニングに入りました。
プログラム①は、講師から「練習課題の設定は具体的に困ることだけでなく、遠いかもしれないが、そうなりたい目標を掲げることも可能です。そのために、今の自分に行動できることを考え、それを練習課題とすることもできます」という話から「医者になりたい。では、入学案内書を入手するため、先方に電話をする」という課題設定。プログラム②は、私たち親側からの困っていて治してもらいたい課題、「息子に牛乳を買ってきてもらいたいので、その時の頼み方」となりました。
①も②も講師と参加者の誰か、という組み合わせで行われました。やり取りが終わると発表者の良いところを褒める、発表者は必要ならお手本を見る(誰かが実施)、もう一度練習する、そしてまた良いところをほめる、次回に続けば、またチャレンジする課題を決める(宿題)、実際の場面で実行してみる、その結果を皆に発表する、とのカリキュラムが会場に貼ってあった資料に書かれていましたが、それに大体基づいて行われました。
和気あいあいに進みましたが、「現実にはそんな穏やかに話し合えないわね」とか「そういっても敏感な子ども達に意図を読まれてしまうもの」とか「行動しない子どもにはどうしても命令口調になってしまう」等の親側の現実が話されもしました。
ここからは私の感想と、これからの予定です。
練習すれば、見たり聞いたり感じたりする中で、置かれている状況を正しく判断して、適切な行動がとれる様になるかもしれないというのはいい、SST信仰にはまりそう。だって「練習すればいい」という見方の切り換えは明るさを感じる。叱られながら、説教されながらからは、サヨウナラにしなければと思います。どんなことでもいい、話す、言葉を発することは大事です。大袈裟に言えば世の中から外れてしまったと思うことから、これ以上失敗してはいけないと思い込む、いい場があれば自分を解放できる、徐々にそのままの自分を。
残念ながら私も、時には親として世間の代弁者ふうに娘に接しています。心臓を病んでいる子に過激な運動はさせないでしょうが、置かれた状態を適切に判断する能力に不具合が生じ、日常生活で周囲とのコミュニケーションをとることにまずさが生じる子と分かっていながら、健全な者が作り上げた世の中に引き上げようとしています。
東京都中部精神保健福祉センターに、SSTも含めて精神病のビデオが沢山あることを知りました。先日、「ベリー.オーディナリ—.ピープル」1から5まで借りてきました。京王線八幡山駅から徒歩2分、誰でもお借りできます。5つまで。この次はSSTのビデオを借りる予定です。 (会員 奈良谷さん)
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