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NPO法人 練馬家族会 :: NPO法人 練馬家族会主催 第1回施設見学会レポート
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■ NPO法人 練馬家族会主催 第1回施設見学会レポート

2005年6月8日(水)開催

NPO法人として、第1回目となる福祉施設見学会は、事務所がある江古田周辺を見学してきました。徒歩にも係わらず、21名の参加者がありました。また、当日はお天気にも恵まれ、絶好の見学日和となりました。

ホサナショップからスタート
桜台駅北口を10時20分頃出発し、そこから徒歩2分ほどの所にある「ホサナショップ」(以下ホサナ)が最初の訪問先です。何度も歩いている道にも係わらず、事務所の近所にあるとは露知らずで見過ごしていた自分が少し恥ずかしくなるくらい、地域の中に溶け込んでいました。
さて、室内は、すでに交流会用に机や椅子が配置されていました。家族会21名対メンバーはその半分くらいの対面方式で着席しました。そしてホサナメンバーの司会の下、ホサナの紹介及び特徴が順次話されていきました。
先ず、商品の1つである自家製ジャムは20数種類を季節によって作り分けているそうです。筆者もキーウイジャムを購入したことがあります。基本的にはオリジナル商品の販売が主だということでした。したがって、販路の拡大もメンバーが行なっています。その他、請負の清掃作業やイベント等での販売なども行なっています。作業所内の清掃や昼食作り、またミーティングなども当番制になっています。その他、レクリエーションやSSTもあります。
特徴としては、キリスト教主義のため、朝礼では賛美歌を歌い聖書の話があります。これは、強制ではないそうです。また、言ったことは実行する、すなわち「権利を主張するものは義務を遂行する」をモットーに運営が行なわれています。そういった素地があるためか、人の役に立てることが嬉しいという意見もありました。1時間ほどの説明の後、質疑応答となりました。いくつか紹介しましょう。

Qメンバーは何人?
A平均通所人数が13〜14名です。

Qメンバーの工賃は?
A所内作業は一律1時間100円、所外作業は600〜800円です。売り上げがメンバーの工賃になります。(家族会メンバーより「たくさん買って帰りましょう」と声がかかりました。)

Qキリスト教主義の作業所の良い所は?
Aメンバーが共に助け合うことができることです。また、牧師さんとの係わりがあることで心のケアにもなっています。

Qホサナでの任期は?
Aありません。皆さんは社会復帰を口にされますが、ホサナも1つの社会だと思いますので、辞めることを強制しません。もちろん、就労の援助はします。

昼食の準備が整うまで、各自お買物を楽しみました。筆者は猫枕・ネパールカレーの粉・溜まり醤油を購入しました。
昼食はホサナ所長の小島さんお手製の料理をいただきました。満腹のお腹を抱えて、家族会事務所に向かい、そこで30分ほど休憩した後、次の目的地へと足を向けました。

えごのみ
えごのみは、家族会事務所から徒歩3分ほどの所にあります。こちらの商品は事務所でも購入できますので、事務所にお立ち寄りの際には、是非、お手に取ってください。
マンションの地下1階の15畳ほどのスペースを有効に利用しています。説明をしてくれた人はピアメンバーの人でした。えごのみにはピアメンバーが2人います。
えごのみの定員は15人です。開設して15年になりますが、対人関係が苦手な精神障害者が店舗販売もするという、先駆的な事業もしています。工賃は1時間100円ですが、ここ最近は、不景気で60円になっているということです。声掛けのうまいメンバー、見守りなど、各自の個性を生かした場所でもあると説明がありました。作業の他、ミーティングや旅行、町内のイベント等の参加もあるそうです。
作業スペースでは、ビーズのアクセサリー(指輪・ネックレス・ブレスレット)や携帯ストラップをハンドメイドされています。小さなビーズを丹念につなげながら商品を作り上げていく姿に、家族会メンバーは賞嘆の声を揚げていました。
壁に向かった机では、釣りに使うルアーの仕上げ作業をしています。製品のデコボコを特別な紙やすりでこすり、出荷品にしていきます。
水曜日のため、出勤しているメンバーは少なかったのですが、いろいろな質問にも丁寧に応えてくれました。以下は、筆者からの質問です。

Qビーズ材料の購入先は?
A浅草橋まで、メンバー3人くらいで買い出しに行きます。

Q一日どのくらいできますか?
A作品によって違いますが、2個くいでしょうか。

Q注文も受けてくれますか?
Aもちろんです。

定刻になりましたので、後ろ髪を引かれながら、えごのみを後にしました。

あっとほーむ(グループホーム)
目白通り沿いに面した、小綺麗なマンション1階に「すのうべる」があり、その上にグループホーム「あっとほーむ」があります。ともに同じ法人(江古田明和会)が運営しています。家族会メンバーは2班に分かれて見学しました。世話人の高橋さんのお話をまとめます。
女性のみで定員は4名で、現在30代3名・50代1名が入居しています。入居ルールとして、練馬区内に住所がある、昼間行くところがある、服薬できる、金銭管理ができるなどの条件があります。食事は自分で作っています。管理人は平日の10時から18時まで勤務していますが、緊急の場合は対応します。門限はありません。トイレ・洗面所・浴室は共同ですので、当番で掃除をします。利用料は月額¥65,000です。
筆者は、弟といっしょにグループホームを見学に行った経験があり、基本的な入居ルールはどこも同様ですが、こちらは門限が無いと聞き、驚いてしまいました。
さて、家族会メンバーから質問が幾つか出ました。

Q世話人さんに入居者から相談されることや依頼はどんなことですか?
A就職のことや生活面での相談があります。依頼の例として、銀行に行くのが苦手な人のために同伴することもあります。

Q各入居者のサポート体制は?
A主治医や保健相談所の担当保健師との関係も大切です。そういったことを踏まえながら、自立へ向けていきます。

Q入居手続きの方法は?
A年1回、審査手続きがあります。空きがあるとは限らないので、待機ということになります。

精神障害者を抱える家族にとって、こういった施設がもっともっと増えることを望んでしまいますが、その前に、入居条件をクリアできるよう、家族も当事者とともに努力しなければいけないのではないか?と思うのです。

すのうべる
2組みに分かれての見学の最後になった「すのうべる」の室内は、女性の比率が多いのも肯けるような、袋物作りや刺繍をされていました。室内に足を踏む入れると、先ず目に入ったのがミシンです。カラフルな布や刺繍糸、また、和室では完成品の梱包も行なっています。どれも、女性らしい感性に溢れたものばかりでした。筆者は猫好きなため、猫の刺繍のある袋と、猫石鹸を購入しました。メンバーの1人の方が百合を刺繍されていました。心の病気は集中力が無くなると聞いていますが、えごのみもそうでしたが、手作業ができる姿を拝見する都度に、前出した言葉は嘘ではないかと思うのです。
さて、スタッフの説明では、定員は15名で自主的な製品作りをしています。それぞれの特技を生かして作業をしているということです。作業以外では、ミーティングやパソコン教室、年1回の旅行もあります。また、疲れたらいつでも横になれる環境にもなっています。
NPO法人練馬家族会としての、最初の福祉施設見学会も無事に終了しました。皆さん、いろいろな感想を持たれながら、帰途につきました。

後日談として
7月9日に開催したNPO法人練馬家族会講演会では、ホサナショップを会場にご提供いただきましたが、その打ち合わせには家族会メンバー3人が伺い、福祉施設見学会の反省を小島所長からいただきました。
『作業風景を見せるのではなく、交流を目的にしながらという案は、メンバーからの意見です。当日の進行は全てメンバーに任せましたので、スタッフは必要があれば手助けしていました。』
メンバーの可能性や自主性を尊重する運営方針に、今後も大きな期待が持てそうです。
尚、ホサナからいただいた資料が家族会事務所に保管してありますので、お読みください。また、えごのみは素敵なホームページがありますので、是非、ご覧ください。

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