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NPO法人 練馬家族会 :: としまえん練馬福祉デーに家族3人で行ってきました!
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■ としまえん練馬福祉デーに家族3人で行ってきました!

8月3日(火)

当事者にとって、午前中の外出は大の苦手。発病してからは、自宅近辺しか歩かなくなり、人混みの中に行くのは大変だったはずです。そんな彼が重い腰を上げたのは、子どもが喜ぶかもしれない、という気持ちからでした。
プールも遊園地も、1歳半の息子には初体験。私も夫もドキドキしていました。ところが「福祉デー受付」に行くと、「練馬家族会」の方がいらっしゃるではありませんか!(ああ〜良かった〜知っている人がいた!)私はなんだかホッとしました。
「ご家族3人でいらっしゃったのね!今日は皆さんで楽しんできてね!」優しい声に見送られ、私達は元気に園内へ向かいました。(見守ってくれる人がいる)心強かったです。こう感じた参加者も多かったのではないでしょうか?
前置きが長くなりました。
今回の「福祉デー」は、私達家族にとって「夏の良き思い出」であると同時に、「転機」を感じさせる一日となりました。家族会ホームページ掲示板に書き込みをしましたが、より多くの方に知っていただきたいと思い、加筆訂正し、会報に投稿することにしました。

「今日ココに来て、いかに自分がボケているか分かったよ。プールのロッカーの使い方も、分からなくなってたんだもの。勇気をふりしぼって、隣にいた日本人に使い方を聞いたんだ。そうしたらその人も操作間違えちゃって、お金戻らなくなっちゃったんだよ!2人で思わず笑っちゃったよ」と夫。「で、結局その人が、自分の間違いだったからと言って、ロッカー代をもう一度払ってくれたんだ。ありがたかったよ」。身振り手振りを交え、愉快そうに夫は再現してくれました。
ああ、こんな楽しそうに笑う彼の姿を見たのは何年ぶりでしょう!
「ボケていることに気付くなんて、スゴイじゃない!本当にボケていたら、それすらも気付かないものよ」と私。その日、彼は何度も大ボケぶりを発揮し、そのたびに私を笑いの渦に巻き込みました。
(注:私自身もウツ病になったことがあり、数々の失敗を経験しています。思い出してみると、病状が重い時には、自分がいま何をしているのか理解できなかったし、また失敗に気付いても悲観的になるだけで、自らのドジを笑うなんてできませんでした。ジョークを言ったり、客観的に自分の状態を見ることができるようになったのは、夫が回復してきている証拠と思い、本当に嬉しく思いました)
「自分は何のために生きているのか。仕事もせず、一日のほとんどを家でぼんやりと過ごしてるなんて...」と夫。
「毎日、私も同じようなことを考えてたの。で、自分なりに出た答えは、家族を守るために生きているんじゃないかと思うんだよね。私達、今は仕事してないけど、子どもを育てるっていうのは、とても大事な事じゃない?人生で一番大事なのは、家族との絆や、共に過ごす時間なんじゃない?死ぬときに、自分が家族に残せるのは思い出だけよ」そんなことを私は言いました。
これは「福祉デー」の一週間前の会話です。
さて今回の「練馬福祉デー」参加後、見知らぬ人に思いきって話しかけたのが良かったのか、あちこちで親切な対応を受けたのが嬉しかったのか、それとも、プール初デビューの息子を守りながら遊ばせ、父親心が目覚めたのか。いずれにせよ、主体性を失った生活を数年間続けてきた夫に、変化が見え始めました。
自分から部屋の掃除を始める。
買い物の時には、テキパキと品物を買い物袋に入れる。
私が家事をしていると、手伝ったり、その間、子どもをあやしたりする。
私が忙しい時には、進んで「オムツ替え」をしてくれる。(←「こんなことは男のすることじゃない」と以前は緊急時以外手伝わなかった)
「社会に戻る日を目指して、きちんと生活していきたい」と口にするようになる。...などなど。
すごいと思いませんか?
「福祉デー」は、数年の治療に匹敵するほど有意義な一日だったと、私は感じています。
後日、担当医師に「福祉デー」での自分の失敗談や、楽しかったことを、夫は自分で話しました。(彼は外国人なので、日本語で説明することが難しい時、私に代弁させようとしがちなのですが)医師も夫のハキハキとした様子を見て大丈夫と思ったのでしょう「よし、今回から薬の数をひとつ減らしてみようか」とおっしゃいました。
「練馬福祉デー」に参加することは、閉塞的な生活をしている障害者にとって、社会復帰につながる良い足がかりになると思うのです。
秋にも開催されるようなので、今まで見送ってきた方も、ぜひ、ご家族で参加されてみてはいかがでしょうか?緑溢れる場で、童心にかえって思いっきり遊ぶことは、当事者はもちろん、ご家族にとってもリフレッシュになると思います。
「練馬区役所障害者課」のご担当の皆様、お世話役をしてくださったボランティアの皆様、どうもありがとうございました。これからも、ぜひ、参加させていただきたいと思います。
この素晴らしい事業が廃止されることなく、今後も多くの障害者や家族の「しあわせなひととき」の一助になることを希望します。

(会員 S.S.さん)

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