■ 全家連主催公開講座 「心の病は治せるか!?」 聴講報告
2004年9月23日(木)13:00〜16:30 於:千代田公会堂
表題の講座を、練馬家族会の会員4名が聴講した。この催しは、「全家連の再生を支える会」が後援して盛大に開催され、約800名の参加者で会場は満員であった。
■13:05 開講
司会進行により先ず、全家連専務理事/江上義盛氏、日本精神科病院協会常務理事/松原三郎氏、全国精神障害者団体連合会副理事長/小金沢正治氏、全家連の再生を支える会代表世話人/京極高宣氏の諸氏の順で開会スピーチがあり、全家連の再生に関わる話があった。
■13:20〜14:20 本日の基調講演
「心の病は治せるか!?〜病気と治療の正しい理解〜」について、東北大学名誉教授、東北福祉大学大学院教授佐藤光源氏の講演が、スライドと解説で行なわれた。
プレゼンテーションは、次の内容で、講座資料に沿い、行われた。
①心の病気とは
②心精神障害の現状
③精神医学と脳科学研究はどこまで進んだのか
④統合失調症とは何か
⑤統合失調症は治るか
⑥適切な知識の普及と偏見の是正
⑦新病名“統合失調症”の普及と波及効果
以上が次のように総括された。
精神障害(者)の現状を把握した精神改良・保健・福祉の充実が必要
精神疾患の病態解明と診断・治療法について,適切な知識を普及するのが急務
精神障害の治療には生活モデルを優先する
早期に適切に治療すれば、統合失調症もうつ病も回復できる
統合失調症への病名変更と疾患概念の刷新は、広い領域で効果をあげている
この後、休憩。
■14:35〜16:30 パネルディスカッション
テーマは、「心の病を乗り越えるには!?」で、パネラーには、松原三郎氏、江上義盛氏、矢島鉄也氏(厚生労働省精神保健福祉課長)、高橋一氏(日本精神保健福祉士協会会長)、広田和子(精神医療サバイバー、保健福祉コンシューマー)、新田勇(元東芝専務、元大阪府警本部長、元スリランカ大使)の各氏、コーディネイトは、寺谷隆子氏(日本社会事業大学教授)、助言者として京極高宣氏、佐藤光源氏が出席された。
パネラーはそれぞれの立場で話しをされ、大変興味深く拝聴した。 (副会長 佐藤)
当日の人の多さにも驚いたが、それ以上の感動をもらって帰宅した。その感激を簡単だが紹介したい。
先ず、佐藤先生の講義は、短い時間にも関わらず、心の病を多角的な視点で解説され、特に、精神医学と脳科学研究は、今後の治療の確立のためにも、解明を強く望む。また、社会の偏見や差別を「第2の病気」と定義され、精神障害者がその病を完治させることがいかに困難であるかを再認識させられた。
後半のパネルディスカッションでは、家族・医療関係者・当事者・行政そして一般市民、各々の立場からの意見が出され、認識の違いからくる問題点が明らかにされた。特に一般市民代表の発言として、障害のある人が逆差別的な行為を公然と行い、家族はそれを当たり前と思っている風潮を、事例を出されて話された。障害福祉に関わる人たちは、第2の病気克服のためにも、先ず、己の心の点検をしなくてはならないようだ。
(広報 高田)
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