このサイトは2004年に運用していたサイトで、現在はオフィス棒屋作例として保存しているデータです。
現在のサイトはこちらです。
NPO法人 練馬家族会 :: 平成16年度 上期勉強会 報告
練馬家族会 NPO法人練馬家族会の公式サイトです。
開設以来126420回のアクセスがあります。

←戻る

新着情報

リンク

Powered by
officeBOYA
HL PC School


新着コメント

■ 平成16年度 上期勉強会 報告

2004年8月27日(金) サンライフ練馬 会議室
講師:生活支援センターきらら所長 林 優子氏

佐藤副会長の司会の下、家族会の諸連絡の後、橋本会長からの挨拶があり、その後、本日の勉強会講師、林優子氏の勉強会に入る。

●自己紹介
区内各保健相談所の保健師として、保健相談所や作業所等の開設に関わる。生活支援センター立ち上げを機会に、障害者課に移動し開設に関わる。60歳で退職し、2003年12月に練馬区に最初の生活支援センター(愛称:きらら)が開設され、その初代所長として就任する。2004年7月から来年6月まで、きららの耐震補強工事に伴い仮住まい中(区情報公開室2階)であると話される。
きらら所長となり、当事者と同じ時間を過ごせる毎日に充実感を持って仕事ができる、とにこやかに話される姿が印象に残った。

●仮住まいであっても
生活支援センターの重要性をわかってもらうために、その逆境をうまく利用し「出張きらら」という名目で、区内ボランティアセンター等を利用しながら、当事者はもとより、家族や地域の人々も巻き込んで、2つ目の生活支援センター開設を目指している、という発言があった。
地味な動きではあるが、着実に足場を固めていく姿勢に、現場を知っている人の心意気を感じる。

●生活支援センターが必要な理由
病気を隠さないで安心していられる場所
いつでも相談できる場所
家族や地域に、病気を理解してもらうために啓発していく場所
法律では人口15万人に対して1箇所の生活支援センターと規定されていることから、人口60万人の練馬区には4箇所必要である。新たな生活支援センターを作ろうという動きが活発化しているということである。
家族会も、この動きに関わってほしいという提案があった。積極的に関われる環境を作るためにも、当家族会のNPO法人化は必須の課題である。

●きららで行っていること
・ワーキングトライ
 当事者の就労の動機や、何をしたいか等、仕事のための具体的な支援をしている。
・SSTの実践
 対人関係の克服を目指して、8月より始まる。3回で1クルー。互いの良いところ探し、ほめ方等を声に出して言えることで、自信が取り戻せるようになる。
・病気の悩みを話し合う
 例えば薬のこと。飲んでいると病気は治らない、飲まないと治ったと思うのではなく、予防薬として考えてもらう。
・病気を認識すること
 病気のことを話せなかった当事者が、声に出して具体的に話せるようになる。理解し治そうとする当事者の姿に、自分だけではなく、多くの当事者が同じ道を歩んでいるのだと考えられるようになっている。
・当事者会の発足
 5月に発足し、名称は「せきららの会」。自分たちのことを語り合いながら、今後は支援者へと回りたい動きがある。
上記以外のプログラムや日程等は、きらら発行の「たけのこ」に記載されている。毎月目を通してほしい。

●生活支援センターと家族
・電話相談
午前9時から午後8時まで受け付けている。緊急の対応はできないが、話をすることで楽になることもあるので、気軽に相談をしてほしい。
・面接等での相談
面談での相談もあり。要予約。

●家族の役割
自分の子供も大切だが、社会に働きかけていく動きは必要。そのためにも第2支援センターの開設に家族がもっと関わってほしい。
家族もボランティアスタッフに
プログラム実施のスタッフとして、できることから参加してほしい。
お願いするだけではなく、支援センターの運営に積極的に関わることは、第2の支援センターに何が必要としているか見えてくると思える。家族会もできることからやっていけるよう、家族一人一人の力を引き出さなければならないようだ。

●当事者と家族
家族は当事者ばかりに向き合わないで、自分の好きなことをする時間を持つ。
病気をあきらめずに、寛解へ向けての機会を作る。
病気だからできないではなく、何がしたいか引き出す気持ちを忘れずに。
「こころの病:家族のための入門書」的書物にも同様のことが記載されているが、これは永遠に解決できない問題なのであろうか。家族が目覚め、地域を啓発し、そして精神障害者に対する偏見を、社会から無くすためにも、生活支援センターと家族会の役割は大きいようだ。
講義終了後の質問等
以上、林優子氏の講義の後、質問へと入る。

Q地域の保健師の役割とは
A当事者の悩みや何をしたいかを聞きながら、本人に合ったプログラムを作り、きららへつなげることもある。コーディネータの役割をする地域保健師をもっと活用してほしい。
Q暴力をふるい、医療を拒否する息子を病院へ連れていく方法は?
A地区の保健師に相談し、保健師が訪問し、当事者とつながることが第一関門。最初は拒否しても、何度も訪問するうちに話ができるようになる。
Q家族のSSTへの参加は?
A家族向けのSSTは別に考えているが、ぜひ、見学に来てほしい。
Qきららに初めて行った人が、話しの輪に入りにくい雰囲気があるのだが?
Aそういったことは承知しているが、当事者がそういった場面にエネルギーを使うことも必要なので、サポートしながら対応している。毎日、雰囲気は変わっているので、1回だけで行くのを止めるのではなく、何度も足を運んで、自分の居場所を確保してほしい。それも社会的な訓練の一つとなる。
Q出張きららの反応は?
Aまだ、始めて日も浅いが、4箇所のボランティアセンターで各30人前後の人が集まっている。こういった動きを見ていると、ハード(入れ物)ではなくソフト(何をするか)を充実させることを実感した。今後は、自発的な発想も含めて取り組み、家族会もボランティアの立場で関わってほしい。

ケアも大切だが、社会的な動きをすることは重要である、と実感する勉強会が持てた。そして、今後の家族会の運営方針に反映させることが、より広義なケアになると感じた。

Copyright © 1996-2004 Nerima Kazokukai and officeBOYA. All rights reserved.