■ 練馬家族会主催 「施設見学会」 報告
2004年11月12日(金)9:30〜15:00
協力:NPO法人飛鳥会(東京都北区)
当日は雨にも関わらず、申込者17人全員が出席し、飛鳥会事務局の森野さんの案内の下、集合場所の駒込駅から、最初の訪問先へと向かいました。
●共同作業所ワーク・イン・あすか
小綺麗なマンションの1階は、雰囲気も明るく、また、通所されている人達も爽やかな雰囲気でした。
在籍者は約25人で、常時通所者は約15人ほどで、男性の割合が多いということです。作業所としての歴史は20年になり、北区の精神保健福祉のリーダーシップを担っています。
●共同作業所つばさ工房
オフィスビルの2階は広々としたスペースで、訪問した際には、機械洗浄液の容器詰めやタオルの袋詰め等、幾つかの作業を分担していました。ボランティアとして古切手やプリペイドカードの整理をされ、それをジョイセフに寄付しています。また、4名が公園やスーパーでの清掃作業に従事しているという話しもありました。在籍者は24名で、ここでも男性の割合が多いようです。
●グループホーム〜飛鳥会事務所
静かな住宅街にある、昔ながらのアパートを一棟借り、事務所兼グループホーム「フレンドハウス」として運用されています。
フレンドハウスは5部屋あり、現在4名の方が、自立に向けて共同生活をしています。年齢構成は40代1名、50代2名、70代1名です。平成7年に開設以来、8名の方がここから巣立ち、アパートで一人暮らしをしていると説明を受けました。
事務所は1階にあり、2階は6畳ほどの座敷を家族会の集まりや趣味のサークル等に利用されたり、また、シェルターとして機能することもあるそうです。
●共同作業所第2ワーク・イン・あすか
赤いテントが可愛らしく、3階建てのビルから美味しい香りがしています。自主製品である菓子作りを中心とした作業所で、1階の喫茶室兼販売所「あすか」では地域の人達が憩える場所となっています。
在籍者は28名で、菓子屋らしく女性の割合が多いということです。イベント等での販売や注文も多く、工賃は500円/時間という時期もあるとスタッフから話がありました。
どの作業所も、クラブやレク活動が盛んで、また、地域との交流を深めるバザーやイベントにも積極的に参加しているということです。そういった行事には、家族も臆することなく参加しているという話を聞き、充実した運営の下、家族も安心して参加できる礎が作られているのだな、という感想を持ちました。
●生活支援センターきらきら
昼食は、北区障害者センター1階の、広々とした支援センターで摂りました。
飛鳥会がNPO法人化した後、区からの委託事業として受けていますが、それ以前は私設の支援センターを第2ワーク・イン・あすか内に設けていたという話を聞き、先駆的な事業を行っていたことを知りました。
●交流会
中川飛鳥会副会長から挨拶をいただき、先ず、NPO法人についての質疑応答に入りました。担当者は支援センタースタッフ及びNPO設立に関わった中心人物でもある吉田さんです。
Q:NPO法人の設立の意義は?
A:組織固めをしたかった。それによって、支援センター運営や公園等美化推進事業に区からの委託を受けることができた。
Q:運営としての失敗は?
A:無いと考えている。
Q:NPO法人になって困ったことは?
A:作業所やグループホームの運営は補助金で行っているが、それの予算が膨大なため、会計処理や書類提出が大変である。
Q:NPO法人の会員構成は?
A:家族及び作業所通所者で、現在300名ほど登録しているが、会費納入者は100名ほどである。今後、未納者への扱いを考えなくてはいけない。また、理事の構成数は運営に関わるスタッフが半数を締めている。
Q:NPO法人としての家族の支援は?
A:家族相談、家族教室、例会、土曜例会、夏の懇親会、家族会懇親会がある。
Q:今の定款で困ったことはあるか?
A:賛助会員の定義が無い。
NPO法人として、家族支援から当事者支援と幅広い活動をされ、組織が大きくなったことでのご苦労を垣間見ました。また、会費徴収が徹底できないケースは練馬家族会も同様であることを伝えておきました。
NPO組織としてのディスカッション後、家族支援のことについて質問しました。
「例会」は隔月にあり、参加者は家族がほとんどで、人数は40名ほどです。毎月ある「土曜会」はカウンセリングができる人を中心に少人数で行われ、非常に好評だそうです。家族教室は1クルーを3回に分けて実施しています。また、個別での家族相談は毎週金曜日に行っています。
充実した家族支援の内容を聞くことができ、練馬家族会も今後の運営に大いに参考になりました。
午後3時に散会し、施設見学参加者の気持ちを代弁するような晴天の下、帰途につきました。