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NPO法人 練馬家族会 :: 統合失調症−家族の立場
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■ 統合失調症−家族の立場

▼ 統合失調症、練馬には1万世帯
当会会員でしたら、「統合失調症は100人に1人の割合で発症する普通の病気である」という説明は、耳にタコができるくらい聞いたことと思います。1世帯が両親と子供2人の4人で構成されているとすれば、25世帯に1世帯は、統合失調症患者がいる計算になります。ということは、練馬区の総世帯数は約30万世帯ということですから、1万世帯以上が統合失調症の家族を持ち、悩んでいることになります。しかしながら、練馬家族会の会員数は、近年増加したと言えども、100名に足りません。1万世帯と比べれば、この数字はゼロに等しい数字です。
この1万世帯もの悩める家族が、表面的にはほとんど存在が分からないという状況は、どう考えれば良いでしょうか。すでに、病気に起因する問題が解決しているのか、あるいは、精神障害者がいることを隠しているのか、のどちらかでしょう。筆者は後者だと考えます。その理由として、彼らは、病気に対しても無知であるがゆえに、自らを卑屈にし、正しい治療や啓蒙を行っていないと推測するからです。障害者に対する社会の偏見はまだまだ無くなりませんが、それ以前に家族自身の病気への偏見が、このような状況を招いているとは考えられないでしょうか。実際の話、筆者は、隣りの家と向かいの家の2軒に、統合失調症患者が居ることを知っています。あえて事情を詮索することはしませんが、家族会には伝わってこない、家族の存在がそこにあります。

▼ この病気は治るのでしょうか
家族の皆さんは、同じ悩みを持った人から「完治に希望をもって頑張りましょう」という励ましを聞く機会が多いと思います。しかしながら、筆者がインターネットで調べたところ、完治する希望があるという情報は皆無でした。逆に、完治することは稀で、そのことを受け容れて前向きになりましょう、という記事のなんと多いことでしょう。完治した人もいるとは思いますが、情報不足なのか、筆者は完治した人の存在を知りませんし、皆さんもそうでしょう。あるいは、医者の口から、「完治」という言葉を聞いたことがある家族がいらっしゃるでしょうか。
筆者は専門家ではありませんので断言できませんが、こういった情報をまとめますと、完治は無理でも寛解、つまり、病気であることを患者自身が受け容れて、リハビリに努めることは難しくありません。この寛解こそが、統合失調症患者やその家族が目標とすべきことではないでしょうか。まず、家族が病気を受け容れれば、世間(社会)に対しても卑屈にならずに済みます。ですから、言われ無き偏見を無くすためには、まず家族が堂々と病気をカミングアウト(世間に公言)することが必要だと思います。25軒に1軒は、そういう人がいるのですから、思い滞まることはありません。

▼ リハビリ
服薬は、症状を抑えるために必須とされますが、この病気になると、その意識さえ無くなる場合が少なくありません。ですから、病識(自分の病気を受け容れること)を持つという最初のステップに、なかなか踏み込むことができません。
統合失調症は、医者から病名を告知されて初めて、家族が病気を意識し、そして、治療が始まるわけですが、具体的な治療は投薬と静養でしかありません。ここで重要なのは、そういった医学的な治療はもちろんとして、病識を得るための「教育」です。病識を得てこそリハビリが行えます。ですから、幸いにも入院という機会があったのであれば、治療と同時に、医療のプロに「教育」を確実にお願いしなければ、後々、入退院を繰り返すことになります。また、入院せずに通院だけという場合は、さらにこの教育を慎重に考えないといけないでしょう。
入院はかわいそうだ、早く退院させてあげたい、というのは親心ですが、ここは粘り強く、確実に病識を得られるように、教育的入院に希望を持ちましょう。 

(編集部 長谷川)

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